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100年企業

Nagaoka_800
Nagaoka, Niigata pref. 2003

既知の出版社のひとつの社内環境が「とても悪くなった」と、内部の方から聞きました。常々思うのは、(突然大きな話になりますが)この国はいつから「人と人とで働いている」という基本を忘れてしまったのかということです。

この不況下に経営論で見直されているのが、じつは日本の伝統的な酒蔵など醸造系。俗に「100年企業」と呼ばれる老舗は目先にとらわれず、人を育て地域や社会とともに歩んできた。その彼らが一様に言うのは「長い歴史で窮地は幾度もあったけど、その度に必ず誰かが助けてくれたんです」。

行いは必ず我が身に返るものだということでしょう。

さて、上の写真はずいぶん昔に新潟県長岡市の蔵元で撮らせていただいたもの。取材相手の杜氏さんはさぞ職人気質で怖いのかと思ったら、とても柔和なお爺さんで驚きました。


「この世界ではね、酒を造る前に人の和を作れって言われるんだよ」


人の和も作れない人間に酒など造れるはずがない……。全国に名が知れ受賞も毎度という著名な方なのに決して偉ぶらず、専門学校から入ってきたばかりの若い弟子の肩に手をやって「こいつがホントにいいやつでさあ」と笑うのです。

その日限りの取材者の僕に対しても、「ほんとに旨いから飲んでみて」と、蔵にもたった1本しかない古酒の封を開けてくれました。酒の味など分かりもしない当時の僕は本当に恐れ多くまた有り難く思いながら、そのお酒を頂戴しました。

断言しますが、人や文化をおろそかにする風土には明るい未来はないでしょう。旅行の取材でさまざまな「会社」や「社会」を訪れて、ひしひしとそれを感じます。

地方に伝わる言葉をもうひとつ。良心ある若者はこれらの格言を胸に、自らの力を信じて行動したらいいと思います。


「商売の基本は三方よし。売り手よし、買い手よし、世間よし」
(近江商人に伝わる格言)


昨今は、世間どころか買い手すらも忘れている企業が増えている気がしてなりません。

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コメント

「この世界ではね、酒を造る前に人の和を作れって言われるんだよ」
うーん、身につまされる話です。勉強になります。

いいチームを作ることって大切ですよね。信頼と尊敬でつながってる人間はそうそう切れないと思います。いま僕はまさにそういう人たちからのお声がけで救われてます。

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